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校長の窓7

2020年6月15日 20時31分

答えは正しいけれど?? 
 
 これは、10年程前の話です。

 4年生の算数科「小数÷整数」の文章問題で、教科書に次のような問題が出ていました。
   <問題1>
 長さ22.8cmのロールケーキを8等分します。
  1つ分の長さは何cmになりますか。

  児童は次のように立式し、筆算を使って、答えを出しました。 
(式)  22.8 ÷ 8 = 2.85  答え  2.85cm
 
  答え合わせをすると、多くの児童が正解していました。しかし、ちょっと気になることが。   
  そこで、児童に「答えを見て、イメージしてみましょう。何か気付くことはありませんか。」と尋ねました。
  すると、ひとりの男子児童が、「一切れが薄いです。」と答えました。 
「そうですね。確かに薄そうですね。では、ものさしで測って、その厚みの長さをノートにかいてみましょう。
すると、児童からこんな声が出されました。
 「先生、2.8cmまでは、かけるけど、0.05cmは、かけません。」

 

 

 

 

 

 

 

 


そうなんです。小学校で学習する最小メモリは、mm(ミリメートル)なのですが、それ以下の数値が答えに出ていたのです。 計算上は、全く問題ないのですが、実際にロールケーキを分けるとなると、2.85cmずつ分けられるかと言えば、非常に難しいでしょう。
では、22.8mのロールケーキという問題ならどうかと言えば、そんな長いロールケーキは現実的ではありません。 
 22.8mのリボンとかテープなら全く問題はないように思いますが、問題作成者は、「ロールケーキ」に、強いこだわりでもあったのでしょうか??

 このことは、「教師(大人)は、子どもの目線で物事を見ることを忘れてはいけない」という教訓となっています。